頸椎ヘルニアの西洋医学的治療

頚椎椎間板ヘルニアの症状が首や肩、腕の痛みやしびれの場合は、まず保存的療法から治療を始めるのが一般的です。

首・肩・腕に負担のかからない姿勢や生活習慣を心がけ、安静に過ごすことがとても大切です。

首に頚椎カラーと呼ばれる装具を付けることで動きを制限し、安定させる療法です。首を固定し支えることで首のはたらきを補助しますが、長時間にわたる使用は筋力低下を招くため注意が必要です。

〇ソフトカラー：症状が軽い場合に装着する柔らかいタイプです。

〇ハードカラー：顎を受ける形で首を固定し、重い頭をしっかり支えます。

首を縦方向へ引っ張り、その状態を維持して骨の間を伸ばすことで負担を軽減する手法です。

身体を温めて血行を促進し、低下した筋肉のはたらきを回復させて炎症を抑えることを目的とした治療です。

頚椎に衝撃が加わらないよう工夫した状態で腕の機能訓練や歩行訓練、筋力訓練を行い、筋力低下を防ぐ方法です。

鎮痛剤やMSAIDsの投与、筋弛緩剤・ビタミン剤・抗うつ薬などの精神安定剤の処方といった薬を利用する方法です。

局所麻酔剤を神経やその周りに注射して痛みを誘発している伝達神経路をブロックし、痛みをなくす治療法です。注射する部位やブロック方法によって異なる名称が使われます。

●星状神経節ブロック
交感神経をブロックすることで痛みを緩和します。

●硬膜外ブロック
硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して痛みを緩和します

●腕神経叢ブロック
上肢を支配している神経の元をブロックします

●トリガーポイント注射
指で押すと痛みを感じる場所に局所麻酔薬を注射することで痛みを緩和します

●レーザー療法
星状神経節にレーザーを照射して一時的に交感神経のはたらきを麻痺させ、痛みを和らげます

こうした保存的療法が一般的ではありますが、進行性の症状が見られる場合にはこの通りではなく、手術の検討が必要になることがあります。

歩行障害など足の動きに関する症状や肛門直腸障害など脊髄神経に関わる障害は進行性です。このような症状がある方は、医師と相談の上手術を検討されることをおすすめします。