頚部のところで脊髄を中に納めている骨は頚椎と呼ばれます。
頚椎は全部で7つあり、上から順に第一頚椎、第二頚椎と名付けられます。
各頚椎間には椎間板と呼ばれる組織があります。この椎間板は上下の頚椎を連結しており、ある程度の弾力がありますが、この椎間板の組織がこわれて脊髄や神経根が急激に圧迫されるようことがあります。これが、頚椎椎間板ヘルニアと呼ばれるものです。*1
ヘルニア=とび出す
「ヘルニア(hernia)」とは「本来あるべき場所から飛び出した状態」という意味のラテン語です。頚椎の椎間板が飛び出して神経にぶつかり、神経がうまく機能しなくなることによって頚椎椎間板ヘルニアの症状が現れます。
頚椎ヘルニアは25歳~50歳くらいの幅広い年代に起こりますが、特に40歳以降の壮年期の方に多く見られます。
ヒトの頚の骨は7つあり、上から順に第一頚椎、第二頚椎、・・・第七頚椎と呼びます。1と2は特殊な形をしていますが、3~7の頚椎は同じ形をしています。
7つの頚椎の間には、骨と骨のクッションの役割をしている「椎間板」があります。頚椎と椎間板が交互に積み重なって構成されており、中は空洞になっています。その空洞を脊髄が通っていて、頚部の脊髄からは手や肩に向かう神経が枝分かれして伸びています。
この枝分かれ部分を神経根と呼び、それぞれの神経根は頚椎の間にある椎間孔という狭い隙間を通って手や肩、頚の周囲の感覚を支配しています。神経は椎間板の周囲に張り巡らされているので、椎間板に異常が発生すると、肩甲骨や首の周囲の筋肉を緊張させることで異常信号を伝えています。
このように痛みという感覚を支配する神経と椎間板には密接な関係があるので、肩こりや肩甲骨周辺の痛みは椎間板が原因の可能性もあるのです。
さらに神経には痛みを感じる知覚神経だけでなく運動神経もあるので、ヘルニアによって神経が圧迫されると、動きにくさや知覚麻痺といった症状が現れるのです。
椎間板の構造とヘルニアのタイプ
「椎間板」の構造は大きく外側と内側に分けられます。
外側はコラーゲンからなる薄い軟骨が層状になった「繊維輪」と呼ばれるもので、丈夫で柔軟性があります。
内側は「髄核」といい、80%が水分でできているゼラチンのようなもので構成されています。
椎間板ヘルニアは、椎間板の外側の繊維輪が弱くなって膨隆した状態や繊維輪に入った亀裂から髄核組織が飛び出した状態です。こうしてはみ出した椎間板が脊柱管内に通っている神経を圧迫して痛みやさまざまな神経症状が起こるのです。
頚椎椎間板ヘルニアでは、腰椎ヘルニアとは異なり、突出したヘルニア自体が痛みの原因になる場合と、骨の変形によって神経が圧迫されることで症状が出る場合があります。また、骨が変形することで椎間板がすり減ってしまい、耐久力が低下して圧迫され、飛び出す場合もあります。
ヘルニアが飛び出した場所や方向によって神経が圧迫される箇所も異なるため、症状は人それぞれです。
例えば、5番と6番の頚椎の間にある椎間板がはみ出した場合、第6頚神経と呼ばれる神経が圧迫され、手の親指から腕の前側にしびれの症状が出ます。
また、脱出の程度によって膨隆型・脱出型・移動型に区分されます。
・膨隆型・・・・・繊維輪が膨らむだけで、髄核がはみ出していないタイプ
・脱出型・・・・・髄核が繊維輪からはみ出して後縦靭帯がふくれるタイプ
・穿破脱出型・・・髄核が繊維輪・後縦靭帯を突き破って脱出したタイプ
・移動型・・・・・脱出した髄核の一部が脊柱管内で遊離するタイプ
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