追突事故と頸椎ヘルニア

追突事故では、衝撃による頚椎の損傷がよく見られます。

後ろから追突されると身体全体に強い衝撃が急激に加わり、頸椎が前へ押し出されます。このとき、追突された体幹部分が先に前へ動き、頭は身体に引っ張られるようにして後からついていきます。

日常生活では、このように身体と頭の動きに時間差が生じることはほぼありません。こうした動きのズレが起こるとき、首はとても大きな振れ幅で動きます。日常にはあり得ないほどの大きな動きが急激に引き起こされることによって、首を傷めてしまうのです。

こうした首の損傷で最も多いのは「むち打ち症（正式名称は外傷性頚部症候群　頚椎捻挫）」です。

むち打ち症の症状は頚椎椎間板ヘルニアとよく似ていることもあり、むち打ちだと思っていたら実は頚椎椎間板ヘルニアだったというケースがあります。

むち打ち症と頚椎椎間板ヘルニアの大きな違いは

「画像診断で異常が認められるかどうか」です。

むち打ち症の場合、レントゲンなどの画像診断では異常が認められず、自覚症状のみが問題となります。

よく見られる症状には以下のようなものがあり、こうした症状は頚椎椎間板ヘルニアでもよく起こります。

・頭痛　肩こり　背中の痛み
・めまい　吐き気　耳鳴り
・食欲不振
・手足のしびれや振るえ
・脱力感

一方、頚椎椎間板ヘルニアの場合はレントゲンやMRI、CT検査などの画像診断で椎間板の異常が認められます。

むち打ち症と診断されるか頚椎椎間板ヘルニアと診断されるかは、画像診断で決まります。

追突事故では強い衝撃で頚部の筋肉や靭帯が損傷するとともに、大きく揺さぶられることで頚椎の構造が歪んでしまうことがあります。こうして構造が歪んだことで椎間が圧迫されると、ヘルニアが生じると考えられています。

頸椎ヘルニアは周囲の関節に固まりがあるのでそれらを緩めてあげなければなりません。

一方でむち打ちの場合は関節が動きすぎているので緩めるのではなく関節を縮めてあげないといけない場合があります。

頚椎ヘルニアの施術とむち打ち施術の一番大きな違いはこれです。

頚椎ヘルニア→首の関節を緩める

むち打ち　　→首の関節の緩すぎるところを縮める

頚椎ヘルニアはカチカチ。むち打ちはグラグラと言うとわかりやすいでしょうか。

その他にもむち打ちの場合は自律神経症状が出ている場合も多いので、脳脊髄液の還流を促進したり、自律神経を整える施術を行うこともあります。

交通事故後なかなか治らない首の症状はぜひ一度ご相談くださいませ！